第14章 第4話 2人の男
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やれる事は全てやった。
全身に回った毒を取り除いたが、全ては無理だった。
後は、青雉が持って来る薬との体力に頼るしかない。
「終わったか?」
「あぁ・・」
手に小鉢を持って現れた青雉。
小鉢の中は飲み薬かと予想を付ける。
寝ているに飲ませるには起こす必要があるなと思っていた俺の前で、青雉は別の行動をし始めた。
「・・おい!」
の身体を起こし、飲み薬を自らの口に含んだ青雉。
まさかとは思ったが止める暇はなかった。
「俺がッ・・・チッ」
の唇にキスをした。
薬を飲ませるためだとわかっていても、感情が逆立つ。
ゴクリと動くの喉。
『ーーっん・・・ク、ザン?』
目を覚ます。
「薬だ」
『・・苦いッ』
「待ってろ」
そう言うと青雉は、コップに入った水を口に含み再びの唇へキスを落とす。
俺は動けなかった。
声もかけれなかった。
水がの唇の端から漏れ、雫を垂らす。
そこに何も特別な感情が無いはずなのに、妖艶に見えるのは何故なんだ。
「少し寝てろ」
『気持ち、いい』
横になったの頬に手を添えている青雉。
体温が高いにとって、青雉の体温が心地良いのはわかる。
わかるが、耐えられねぇ。
「、身体楽になったか?」
やっと、口に出来たのはそんな言葉。
『ロー?・・そっか、これはローのおかげね』
俺を見つめる瞳が潤ってる。
熱のせいだとわかっているが、複雑だ。
「毒はまだ抜けきってねぇ。
ゆっくり休め、何かあったら呼べ」
それしか言えなかった。
まだ、のそばにいた気持ちを抑え込む。
立ち入ってはいけない雰囲気が、俺にそうさせた。