第2章 告白現場
「私からじゃ二人の様子は見えないけど……、どんな感じ?」
俺は、目線の高さに空いていた穴で、二人を窺う。
「うん……、わかってるの……。でも、好きだったから……」
「ごめんね……」
「桜がね、綺麗だったの。舞い上がる桜吹雪の中のあなたは、天使みたいで……。ああ、私の目の前に、鮮やかな青色の春が降りてきたのだと……」
ポエマーだったのか、委員長。
普通なら、もうお開きにしても良さそうな展開なのに、彼女は、長々と語っている。王子サマは王子サマで、嫌なそぶり一つ見せず、真剣に聞いているようだ。
そして、俺は……、ちょうど二人の真ん中斜め上で、ちんこしごかれている。
「……っ、っ……」
二人は、全く俺に気づいていない。それが、俺の中に眠るさらなる劣情を引き出していく。
二人が、もし、こっち見てきたらどうしよう。多分、俺とはばれない。俺とはばれないだろうけど、ちんこはばれるんじゃないか。甘い告白シーンに、全く関係ない男の欲情ちんこがあるとは、ばれるんじゃないだろうか。
どうしよう。不安なのに、勃起が収まらない。むしろ、痛いくらい勃起してしまう。
ばれたくない。見られたくない。
その一方で、望むのは――――、
見られたい。
見られたら、俺は、おしまいだ。
おしまいになっちゃうくらい……、逝っちゃう。
「っ……は……」
「ななしくんのおちんぽあつぅい。我慢汁も止まんないね。こんなに昂ってたら、ちんぽのにおいで二人にばれちゃいそうだね」
「……っ、……っ……」
姫さんが、舌で転がすようにえろい言葉を吐き、俺の聴覚を弄ぶ。ちんこをしごく手は、そんなに強くもなく、単調な動きだ。これくらいが、いい。このレベルなら、まだ耐えられる。
今、俺が、もし、射精したら……。
ポエマってる委員長と、それを聞く王子の目の前で、白濁した液体が降るだろう。二人は、一瞬目を丸くした後……、降ってきた方向のこちらを、怪訝な顔で見つめるだろう。
俺のちんこが、別に何の関係もない美人と、美形の男に見られてしまう……。
ちんこだと……、精液だと認識した時の二人の表情は、果たして……。