【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第1章 とある山の一角にて
【咲夜】
あねさまが連れ帰って来たのは人間の男。
迷い込んできたらしい。
あねさま・・・もとい彼岸様は
高貴なお方。
この辺では確実に頂点だし
空狐様ともなれば
お稲荷様をご引退されていてもおかしくない身。
日本全国を見ても神とだって大体渡り合えると思う。
そんなお方が連れて帰って来た人間・・・。
若くて美味しそう。
食べてしまえばいいのに。
どうやって食べてやろう?
肝は生で・・・
後は焼こうかな?
炙ってもいいなぁ。
あ、醬油と砂糖で煮る??
あねさま心臓食べるかな?
「ねぇ紅夜、これ、どうやって食べようか?」
隣で書物に目を通す紅夜に声をかけると
ビクっと一瞬肩を震わせ、こちらを振り返る。
こりゃさっき彼岸様切れさせたの、
相当答えてんなー
「まだまだ甘いね、紅夜は。」
私なんて何度怒らせたことか。
あんなのの比じゃなかったな。
お屋敷半壊したこともあったし。