【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第2章 お屋敷での共同生活
【彼岸】
「ねぇノギ?」
寝ている間にすっかり辺りが暗くなってしまった。
これはまた紅夜に怒られてしまうな・・・。
「はい、彼岸様。」
「心配、しなくていいからね」
あんな昔のことを夢に見るなんていつ以来だろうか。
『もう人間とはかかわらない』
ずっと昔、そう決めたのに関わってしまった。
それがいけなかったのだろうか。
「・・・はい、彼岸様。」
あれから数千年がたった。
今ではここ一帯を治める主であり、
あれだけ憎んだ人間たちに拝まれる存在にまでなった。
もう憎しみもない。
そう、思っていたはずなのに。
忘れたい記憶ほど
なかなか忘れられないものらしい・・・。