【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第1章 とある山の一角にて
ガサッ・・・
落ち葉を蹴る音に急激に意識が浮上する。
気付けば辺りは暗い。
少しのつもりだったが
長い事寝てしまっていたようだ。
音をたてないように起き上がり
耳と尻尾を隠す。
これで見た目は20代前半の娘だ。
一瞬妖怪かとも思ったが妖気を感じない。
人間か?
こんな時間に?
がさ、がさ、と音を立てて近づくそれは
こちらを全く警戒していないようだ。
元は夜行性のただの狐だ。
夜目が利く。
やはり予想したとおり、人間のようだ。
身なりは…悪くないようだ。
はぐれたのか?
歳は20代前半だろうか。
と、考えているうちに目の前まで来ていたらしい。
「女の子!?」
そう声を上げて固まってしまった。