第13章 文化祭 1日目
side.カラ松
緞帳が降り、ステージ上を片付ける
それが終わり、部室で着替えているとき部員の女生徒が話していたのが聞こえてきた
A「ねぇ、C組の君が執事の格好で接客してるって!めっちゃ並んでるらしいよ」
B「嘘!みたい~」
え、今日フリーだって言ってたのに
舞台観てないかな・・・
残りの時間一緒に回ろうか考えてたのに
でも執事姿のがみたいな、片付け終わったら行ってみよう
カ「なんだ、この行列」
C組に来てみると、廊下には女の子の列
スマホを教室に向けてキャーキャー言っている
・・・まさかを撮っているのか?
冗談じゃない、見ず知らずの人間が彼の写真を持ってるなんて
そんな黒い感情が湧いた瞬間
十「あ、カラ松兄さ―――ん」
声のする方を向いて唖然とした
メイド服の十四松
・・・の隣に立つ執事姿の
カッコいい、メガネが似合うな、普段見ない髪型に色気を感じる・・・上げたらキリがないほどとにかくカッコいい
十四松の声で気付いたのか、彼の視線がこちらに向いた
見慣れぬ姿で合わせられた視線に鼓動が跳ねる
ゆっくりと、それでも優雅にこちらに向かってくる
が一歩近づく度に心臓がドクリとなる
「来たんだ」
目の前まで来て柔らかく微笑む
ダメだ、直視できない。思わず掌で顔を隠してしまった
「・・・カラ松?」
カ「か、カッコよすぎて・・・見れない」
「・・・」
視界の端での顔が耳元にきたのが分かった
「そういうのは二人の時に言えよ。帰り迎えに行くから、そん時とか、な」
体を離し、振り向き様に流し目を向けられる
そのまま戻って行ってしまった
一緒に帰れる期待と同時に、恥ずかしいことを言わされそうで困惑した・・・