第13章 文化祭 1日目
来場者が引け、クラスメイトも帰ってしまい一人残る
カ「迎えに来るって言ってたけど・・・」
「カラ松」
のクラスに行こうか迷っていたら、待ち侘びていた声が聞こえた
戸に凭れて気怠そうにしている
カ「大丈夫か?」
近付いて聞いてみる
はぁ、と溜息を零し俺の肩口に頭をのせた
「やるんじゃなかった・・・行くぞ」
呟くように言うと手を繋がれ、歩き出す
人も疎らな道を行く
カ「大盛況だったな」
「ったく、人がいないからって・・・カラ松の舞台も途中からだったし」
カ「観てくれたのか?!」
あれだけの客を捌いていたから観ていないとばかり思っていた
「演技するカラ松みてみたかったし。でも」
言葉を切ってこちらを向いた
「あんたがキャーキャー言われてんのは嫌だった」
ギュっと繋いだ手に力を込められる
そんな風に思ってたなんて
不覚にも嬉しくなった
カ「それは俺も同じだ。しかも写真撮られたりしてるし・・・俺のか、彼氏、なのに」
そこまで言うと急に抱き締められた
「ダメだ、カラ松が可愛くて仕方ない・・・好きだ」
カ「か、可愛いって」
「俺からしたら可愛い」
男が可愛いと言われて喜ぶのはどうかと思うが、に言われると嫌じゃない
それどころか嬉しくて舞い上がってしまいそうだ
「なぁ、キスしていいか」
カ「わざわざ聞かないでくれ」
恥ずかしい、そう言う前に唇が合わさる
の舌に唇を舐められ、それを合図に開くと舌が差し入れられる
カ「ぁ・・・んふ、は・・・んっむ、ふぅ」
「はぁ・・・ん、ふ」
長く深いキス
膝の力が抜けてしまいそうだ
カ「は、らめ・・・力、ぬけ、そ」
「っと、わり」
そっと腰を支えられる
はぁ、はぁと整わない呼吸を繰り返した
「今からこんなんじゃ困るけど」
カ「ふぇ?」
ダメだ、舌も回らない
「もっと色んなことシたいんだから」
妖艶な笑みで告げられる
回らない頭を必死に動かす
彼と付き合うにはかなりの覚悟が必要かもな
未だキスの余韻でボーッとする頭の片隅で思った