第10章 すれ違い
カ「は・・・んぅ、ふぐ、んんっ」
「ふ・・・は、ん」
唇を離すと同時に戸をダンッと叩き、カラ松の肩口に顔を埋める
「俺にはあんたしかいないのに・・・あんたは俺のものなのに」
カ「・・・」
背中に手が回され、抱き締められた
カ「やっと、吐き出してくれたな」
「・・・は?」
体を離すと、涙を流しながらも微笑むカラ松
何故だか綺麗だと思った
カ「そうやって言ってくれれば、俺はちゃんと受け止める。反論や議論も出来る。勝手に抱え込んで、自己解決しないでくれ・・・でなきゃ傍にいる意味がないだろう?」
あぁ・・・そうか
こういうのをぶつけてもいいのか
カ「どうしていいのか分からないならとりあえず聞かせてくれ、2人で考えればいいんだから」
なんでこいつはここまで・・・
「ごめん、俺あんたを泣かせたいわけじゃないのに・・・」
クスリと笑う声が聞こえた
カ「で、弁明はさせてもらえるのか?」
「・・・あぁ、ちゃんとカラ松の話聞くわ」
さっきまでの涙が嘘のように、眉を下げて笑うカラ松
そんな彼が可愛いと思ってしまう
カラ松の手を取り居間へ移動する
・・・こうなったらどんな叱責も受けるしかないな