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【おそ松さん】口ずさむのは【男主】

第10章 すれ違い


商店街の隅の方にあるとある飲食店
ホールで皿洗いや簡単な調理をするバイトだ

あのままバイトに来たものの、頭の中はさっきのことばかり

「はぁ・・・」

店長「なんだ、体調悪いのか?どうせもう時間だから上がっとけ」

「すみません、そうします」

ダメだな
さっきメッセを送る時に覚悟したはずなのに
自己嫌悪に似たものが渦巻いていた

明日が土曜日で良かった
こんな状態で会いたくない
さっさと帰って寝てしまおう

すっかり暗くなっている
長袖でも少し寒い位だ
ココアでも飲もうかな、なんて考えながら玄関へ近付く

・・・何かいる
黒い物がうずくまっている・・・まさか

目の前まで歩いて行くが、ピクリともしない

「・・・カラ松?」

ビクッと肩が震え、ゆっくりと顔を上げた

カ「・・・?」

目が真っ赤になって、涙の跡がある
その目には生気が感じられない程虚ろだった

「何してんの、こんなとこで」

カ「だって・・・あんなメッセきた、まま連絡取れない、し・・・」

言いながら涙を溢れさせている

「みた通りだろ。あんたは俺じゃなくてもいいんだ」

カ「!そんなわけ・・・!」

こんな玄関先で大声を出す訳にはいかない
とりあえず鍵を開けてカラ松を引き込む

戸が閉まると同時に、その戸にカラ松を押し付けた

カ「ぐっ・・・いた」

「あんたがどれだけ泣こうが関係ない。女がいいならそう言えばいい。もうここへ来るな」

自分でも驚く程低い声が出た

カ「ぁ・・・な、んで・・・そんな・・・俺、し、か・・・」

嗚咽混じりに言いながら、次々に大粒の涙を零す


「口ではなんとでも言えるよな。なんでかなんてあんた自身が一番分かってるだろ」

カ「い、やだ・・・わかん、ないぃ」

「チッ」

こんな顔させたくない
泣き顔なんてみたくない

それでもカラ松を信じられない
そんな自分にも腹が立った


どうしようもない感情をぶつけるように、カラ松に噛み付くようにキスをした
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