第10章 すれ違い
居間へ来て、向かい合って座る
カ「どうしてあんな話になったんだ?」
僅かに怒気がこもった声
「バイト行く時見かけたけど、女に腕引かれて楽しそうに笑ってた」
ンン~?と顎に手を当てて考えてる
カ「それは幼なじみだ。俺達六つ子のマドンナ的存在だが、今の俺にはそれだけだ」
真っ直ぐこちらを見据えて、ハッキリと言葉を紡いでいる
カ「笑ってたのは最近付き合い悪いって言われたから、恋人が出来たって話してて・・・のことを思い出してたからだ」
バカみてぇ
俺そんなことでイライラしてカラ松泣かせたのかよ
・・・サイテー
「ほんとごめん、俺・・・」
申し訳なくて俯く
ペチッと両頬を挟まれた
カ「確かに悲しかった。このまま終わるのかなって・・・でも、の気持ちが聞けて俺は嬉しいんだ」
頬を挟まれたまま顔を上げると、晴れやかな笑顔
やっぱりこうして笑っていてほしい
「・・・怒らねぇのか?」
カ「怒鳴りつけてやろうかとも思ったんだがな。でも、のことちゃんと受け止めたいんだ。それに」
コツンと額を合わせてくる
カ「嫉妬、してくれたんだなって・・・嬉しくなったんだ」
「嫉妬・・・なのか?」
聞けば苦笑しながら
カ「玩具を取られた子どもみたいなもんだけどな」
「俺はガキかよ・・・・・・そっか、ガキだわな」
目の前にはカラ松の顔
チュッと小さく触れて、唇を舐める
「でもガキはこんなことしねぇだろ?」
カ「なっ、シリアスな話してるのに」
自分が発端なのに、正直どうでもよくなっていた
それに顔を赤くしても説得力はない
「なぁ」
カ「ん?」
「こんな時で悪いけど、カラ松を抱きたい」
考える間もなく口に出た
カ「え、な・・・」
カラ松の返事を待つのもまどろっこしい
腕を引いて立たせ、そのまま後ろにあるベッドに押し倒した