第8章 デート
次なる目的、クレープ
各々注文したものを受け取り、少し離れたところにある椅子に座る
カ「いただきます」
一口頬張れば、程良いイチゴの酸味と生クリームの甘さが口いっぱいに広がった
「あんたさぁ」
そう言われて口の横を親指で撫でられ、あろうことかその指を舐めている
「子どもみたいだな」
漫画なんかでよくあるパターン
まさか自分がされるとは思わなかった・・・意外と恥ずかしいな
テンパる俺をよそにクレープを食べてご満悦な
「うまかった」
正直、途中から味なんか分かんなかった
咀嚼して飲み込むのが精いっぱい
もったいないな、せっかく一緒に食べるのに
「まだ時間あるか?」
今度は自身の口元を親指で拭いながら聞いてくる
こそ煽ってるんじゃなかろうか
そんな仕草がどことなく色っぽくみえる
カ「あぁ」
「なら公園行こうぜ。今日の礼に歌う・・・礼になるかわかんないけど」
カ「いいのか?聴きたい!」
なら行くか、と手を差し出される
まだ少し気恥ずかしいが、やっぱり嬉しい
当然のように絡まる指・・・俺より大きくて骨ばっている
鼓動が早くなるのに、気持ちは落ち着く
不思議だ