第8章 デート
カ「何するんだ?」
当てもなく歩いてる様には見えなくて聞いてみる
「靴欲しい。あと・・・・クレープ食いたい」
クレープとか食べるのか
甘いもの好きだと聞いていたが、随分可愛らしいな
なんて思っているとすぐに靴屋に着いた
はキョロキョロしながら店内へ入って行く
手が繋がれたままの俺はそれに付いていく
「あった」
既に狙っていたものがあったのか、一足のカジュアルシューズを手に取る
薄い青地のものだ
カ「何だ、決まってたのか」
「前来た時にな。青好きだし」
パッと手を離してレジへ向かってしまった
温もりを失った途端に、少し寂しさを覚える
こんな些細なことで一喜一憂するなんてな
「何、手ぇどうかした」
いつの間にか戻ってきていたに驚く
カ「うわぁ!急に声をかけるな」
「わりぃ、待たせたっつったけど」
カ「え、あ、すまん」
「・・・」
グイと腕を引かれ店を出る
「やっぱ嫌だったのか?」
思い切り眉根を寄せている
明らかに不機嫌だ
カ「嫌って」
「俺と出掛けるの」
掴まれている腕をさらにギュっと握られる
カ「違う、嬉しいのと緊張してるのとで・・・あと、その」
空いている方の手で、腕を掴んでいる彼の手を見つめ、触れる
カ「手を離されてちょっと寂しかったんだ」
「・・・あんたって天然なの?煽ってるよな」
カ「ち、ちが」
慌てて顔を上げると、ニヒルな笑いがそこにあった
ゾクッとする、こんな顔するんだな
「ま、嫌じゃないならいい」
そう言って再び繋がれる手と手
しかも今度は指を絡ませて、所謂恋人繋ぎ
カ「あ、あの」
「なに、恋人なんだから問題ないだろ。それとももっと恥ずかしいことしてほしいわけ?」
カ「い、いい!」
心臓がうるさい、顔が熱い
頭がパンクしそうだ
チュッ
グルグルする頭をどうにか落ち着かせようとしていた矢先、耳についたリップ音
「真っ赤になってるカラ松ってうまそうなのな」
色々追いつかない!
声が出ず、口をパクパク動かす
む、無理だ
心臓破裂しそう・・・キュン死ってやつか?
がこんなに積極的だったなんてぇ