第8章 デート
待ち合わせ場所に近付くと、は既に来ていた
像を背凭れに、足を軽くクロスしている
ジーパンに英字プリントのTシャツ、シンプルなのに立ち姿はモデルの様だ
傍に行って声をかけたいのに、見惚れてしまい歩みを進められない
周りの女の子達が彼を見ながらカッコいいと囁くのが聞こえる
先を越されるわけにはいかないな
さっきまでとは違い、1歩ずつゆっくり近づく
その度に心臓がドクドクと鳴る
カ「」
「はよ」
本人が気付いてるか分からないが、微かに笑顔だ
俺、この顔に弱いんだよな
カ「すまん、待たせたか」
「別に。行くぞ」
スッと手が繋がれる、ごく普通に
先を行くの顔は飄々としている
俺は頬が火照るというのに
「・・・嫌か?」
少し振り返りながら問うてくる
カ「へ?」
「手」
カ「えと・・・う、嬉しい・・・けど恥ずかしい。あ、でも、離すのは嫌、だ」
言いながら、恥ずかしさで俯く
「難しいのな・・・ま、いいなら行くぞ」
繋がれたままの手をクイッと引かれる
手を繋ぎ、肩を並べて歩き出す
まだ始まったばかりのデート
俺、今日心臓保つだろうか・・・