第7章 背負うもの
だがその機会は訪れることなく月日は過ぎた
高校進学せずバイトでいいから働くと言ったが、その先苦労すると高校は行かせてくれることになった
ならばと家を出ることを提案した
施設へ預ける話が出たくらいだ、離れた方がいいと思った
初めは反対されたが、いずれはやらなくてはいけないこと
学費も生活費も出すと言われたが、それでは家を出る意味がない
学費は断られたが、生活費はバイトで回してる
だから夜間は外に出てるのだ
噂にあるようなことはないらしい
そもそも女ってうるさいし、面倒だ、と溜息をついた
学校には事情を話してあって、最低限の授業を受けることとテストは必ず平均点以上を取ることを条件に、学校側はとやかく言わないことになっている
気を遣われるのも迷惑をかけるのも嫌だった
だからこそ一人でも生きていけるようにしようとした
愛おしそうに名を呼ぶ者はいなかった
愛など知らない、感情を出すのが許されるか分からない
必要以上に人に関わらず、ただ静かに
今に至るのだ