第7章 背負うもの
にしては饒舌に、しかし何かを吐き出すように重々しく語る
「・・・在り来たりだろ?」
自嘲気味に笑う
しかしその目には
カ「泣くな・・・」
「え・・・」
は自分の頬に手を当て、涙を触る
泣いていることに気付いていなかったようだ
彼の正面に回り、頭を抱き込む
子どもを胸に抱くように
「ふっ・・・・く」
声を押し殺しているのが痛々しい
カ「俺しかいないんだ、声を上げればいい」
そういうと背中に手が回され、服をギュッと掴まれる
「うぅ、あ・・・うあぁぁっぁあ」
堰を切ったように声を上げ、涙を流す
今はただ吐き出せばいい
たとえ在り来たりで、見る人がみれば軽い瑕(きず)だとしても
今の彼が背負うべきではない物なのに変わりないのだから