第7章 背負うもの
父親が酒乱で物心ついた頃には、殴る蹴るは当たり前
「お前がいるからこんな生活なんだ、死んじまえ!!」と罵られる
母親は父親に逆らえず、「私があんたを産んだせい」と言いながら首を絞められた
だがそこは母親なのだろう、殺めるまではしなかった
しかしそんな生活に耐えきれなくなったのか「ごめんね」と一言残し出て行ってしまった
我が子であるを置いて
それからただ父親に玩具の様に暴行を受ける日々
時には煙草の火を押し付けられた・・・人から見えない位置に
酒瓶を投げられ直撃は免れたものの、割れた破片で傷がつくのも当たり前だった
このまま殴られて死ぬんかな、なんて子ども心に思っていたところに、母親と連絡が取れないと家に叔父が来た
奇しくも父親が殴りかかろうとしている瞬間に
そこから叔父夫婦に引き取られた
だが、いきなり小学生に上がる子どもが出来ては戸惑うだろう
まして虐待を受けていたのだ
自身馴染めないのもあったが、叔父夫婦もどことなく持余しているのを感じていた
会話も程々しかなく、お互い歩み寄るきっかけもなかった
そんな子どもを引き取れば、近所の恰好の噂の的だ
学校へ上がれば、もらわれっ子といじめられた
そんなことを叔父夫婦には言えず自ら孤立することを選んだ
引き取られて程無くして、一度だけ叔父夫婦が施設へ預けることも考えている話しているのを聞いたらしい
いっそその方が楽だったかもしれないと思ったと