第22章 チョコレート・パニック
教室近くまで戻れば、やはり女子の群れ
1人がこちらに気付くと、数人が走り寄ってきた
A「これ受け」
「取らない。それと、広げといて。勝手に置いてったやつとか渡して行ったやつ取りに来てって」
B「何で」
ほんとめんどくさい、全部説明しなきゃいけないわけ?
「俺、付き合ってる奴いるから。そいつに嫌な思いさせたくない」
言えば『え、いつの間に?』とか『相手誰?』とざわつきだす
んなこと、あんた達に関係ないじゃん
これでも渡すようなバカは
A「そんな重たいものじゃないし、受け取ってくれても」
いた
イラつくな
「いらねぇっつってるだろ。俺はあいつのだけあればいい」
目を細めて言う
B「あ、えと、ごめんなさい」
踵を返して走り去ろうとする女生徒
「さっきのちゃんと広めとけよ。でなきゃずっと教室に放置だから」
そう言って教室内に目を向けると、何人かが紙袋に近付く
これで落ち着くだろう
残るものがあれば、処分は担任に任せよう
やっと言えた気がする
ちょっとスッキリした
しばらくするとパラパラと人が集まりだした