第3章 白い皇子
ほっぺにちゅーくらい大丈夫だと思ってたのに………顔が熱い。
まだ火照っているであろう顔を私は両手で隠した。早く熱が冷めないとリアムに変に思われちゃう。
「り、リアム!何して遊ぼっか!」
えいっ、と後ろを振り向くと、何かに捕まえられる。それがリアムだと気づくのにさして時間はかからなかった。
「今、兄様にキス、された?」
鼓動がどんどん速くなっていく。私は何を期待しているのだろうか。
「ん………。さやかは僕のだもん」
ま、また…………ほっぺに………!
私の頭の中はもう真っ白。
どうしたらいいのか、とあわあわしていると私を捉えていたリアムの腕が解かれた。
「ね、庭に行こう?」
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なんだろ………。
甘えん坊な大きい弟って感じ………。まさかここまで懐かれるとは思ってなかった。しかも、かなり口調とかも最初に比べて変わった。こんな甘える子だった………?
「さやか見て、花の冠」
リアムが薄いピンク色の可愛らしい花で作った冠を私に差し出した。
「私にくれるの?」
「うん!」
そう言って私の頭に乗せる。それだけで、心が温かくなる。すごく嬉しい。
「ありがとう」
すると、リアムが満面の笑みを私に向けた。この魔界にはないから本人にはどんなものか分からないだろうけど、リアムは太陽のようだ。ちょっとしたことで曇っちゃうけど、いつの間にかそんなことなかったぞ、とでも言うように明るくみんなを照らし出す。すごく気まぐれ。だけどね、みんな大好きなの。
でも、私には眩しすぎる。