第9章 君の名を呼ぶ紅と虹 【R18】
「幸村に言われたんだ。最近よくめいさんの名前を口にしているなって。自覚が無かったが、幸村の横で信玄様に言われた。君の事を好きなんだろ?と」
(そ、そんなこと話してたのーー!?)
顔を赤くし、目を見開くめいに佐助は言葉を続ける
「やっと分かった。俺は君が好きだ。だから、いつも気になってもやもやしてたんだって」
(さ、佐助君も同じ気持ちなの!?)
驚きと嬉しさが込み上げ大粒の涙がぽろぽろと流れ、きちんと言葉にしたいのに、うまく言えなくなる
「ごめん、また泣かせたね…。君が涙する事だけはしたらダメだって思っているのに」
後悔をにじませる佐助にめいは頭をぶんぶん振り、何とか言葉を続ける
「ち、違うのっ!!嬉し…いからだよっ!!嬉しい時も涙が出るんだよ!!」
咄嗟に佐助の首に腕を絡めギュッと抱きついた
「嬉しい時も涙が出るんだ」
「うん、驚かせてごめんね…もう、大丈夫だから…」
潤んだ瞳で佐助を見つめにっこりと微笑むと佐助は少し目を見開き、うなじに手を当て引き寄せるとそっと唇が重なった
「んっぁ…」
(こ、声が…)
甘い吐息混じりの声が漏れ、佐助の気持ちが昂る。そっと重ねていた唇はやがて下唇を挟み柔らかさを堪能し始める
「あ…んっ…佐助く、、ん」
微かに唇が触れる程の距離迄顔を離すと佐助が口を開き
「なんだろ、凄く気持ちが昂ってる…俺の中で抑えられないものが込み上げてるんだ」
(えぇっっ)
佐助はまた唇を塞いだ。食むようにその柔らかさを堪能し僅かに開かれた口内へ舌を滑らせ歯列をなぞった。力の抜けためいはしがみつき佐助に体を預けると強く舌を吸い上げられた
「んんっーー、、ふぁぁ…」
(こ、こんなキス…ずるい…)
離れた唇からは互いに銀色の糸が繋がり佐助の目には欲情が滲む
「めいさんに出会えて良かった。俺は必ず君を守るから…」
ーーー今だけは俺の側にいてーーー
そっと褥に押し倒され首筋に口付けが落ちる。気づけば帯の結び目は解かれ襟元は緩くなり、少し差し込めばいとも容易く割開かれる
「んんっ…あっ…」
佐助は手を止めめいに顔をのぞき込む
「無理強いはさせたくないから…」
真っ直ぐな視線、体を伝う熱、抗う術など無かった
「佐助君のものに…して…」