第7章 この瞳に和と洋 【R18】
二人は人気のパンケーキ二種を頼んだ。生クリームにアイス、何より、パンケーキというもの自体、信玄にとって未知なる甘味
暫くして頼んだものは来た
「これは、どうやって食べればいいのだ?」
「この銀のナイフとフォークというものをつかってこうして…」
めいが手本を見せると、見様見真似で信玄もパンケーキを一口大に切り、食べてみる
「この、饅頭のような生地のふわふわとした食感と冷たくて、すーっと溶ける滑らかな甘味、夢のようだな」
「気に入ってもらえて良かったです」
(良かった、口に合うか心配だったけど)
「めい、ほら口を開けて」
「え、で、でも、人が見てます//」
しどろもどろになりながら抵抗すれば
「見てみなさい、皆やっている。ほら、あいすとやらが溶けているぞ」
ちらりと横目で見ればカップルは、あーんして♡と食べさせあいをしていた
(もう、こうなったら!!)
おずおずと口を開けば優しく口にパンケーキは運ばれた
「美味しいーー!甘酸っぱくてふわふわですね」
「あぁ、繊細な味だな。ほら、ついてるぞここ」
と、口の端をそっと指で拭いぺろりと舐める
その色気溢れる姿に顔を真っ赤にする
(ず、ずるい…)
「今度は姫の番だよ。食べさせてくれるか?」
一口サイズに切り、おずおずと信玄様の口元へあてがい
「はい、信玄様…」
パクりと頬張りほころぶ信玄
「ほろりと苦味が来る味だな。これはなんというものだ?」
「チョコレートと言う異国のお菓子です」
「ちょこれーとか、甘さとほろ苦さが相まっていい味た」
仲良くパンケーキを食べ終えると、街を歩き、アーケード街を歩く
やはり、信玄を見る人々の視線は否めない。超かっこいい!男前!彼女いるんだ…と、き黄色い声は否応にも耳にはいる
(う"ぅ…芸能人並の存在感…確かにこの世では偉大な戦国武将として歴史に残ってるけど…)
「賑やかだな、身分に関係なく皆、思い思いに生きているように見える」
「そうですね、想い合った者同時が自由に逢瀬を楽しんでいますね」
(夢見た世界がここにあるな)
辺りを見回し、何かを決意したような眼差しの信玄
「まだ時間はあるな、ゆっくり見て行こう」
「はい。夕餉の材料も買いたいので」
「姫の作る夕餉か、楽しみだな」