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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第4章 白夜に映りし碧と翠 【R18】


謙信と一つになって一週間が過ぎ、めいは過労で倒れてしまった

(…秀吉さんの目の前で意識なくすなんて…)

針子の仕事が立て込み、無理を押して作業をし、秀吉との話の途中で意識を失った

「ったく、無理はするなと言ってるだろ?ちゃんと飯食って寝るんだぞ」

「ご、ご迷惑おかけしました…」

ペコりと頭を下げる


「めいー、陣中見舞いだ」

前触れなく麩が勢いよく開き、政宗はお重片手にやってくる

「これ、きな粉餅!?!?美味しそう!」

(政宗の作るものはどれも美味しいんだよね)

しゅんとした気持ちが一気に取り払われ目を輝かせお重を見つめる

「ほら、口開けろ」

「じ、自分で食べれます!!//」

ニヤニヤする政宗はお構い無しに口へときな粉餅を運ぶ。観念し口を開けパクリとほおばった

「美味しーいーー!!」

(絶妙な甘さとお餅の柔らかさがマッチしてる)

「食欲もあってそれだけ喋れるなら、回復はすぐだな」

見守るような優しい眼差しの秀吉

「どんどん食えよ。ほら、看病もしてやるからな?」

ジリジリと距離を詰める政宗

「だ、だ、大丈夫だからーー!!!」

(こんなとこ謙信様に見られたら//)

と、思った矢先、麩がまた前触れなく開かれた


「け、謙信様!?!?」

(!?!?な、なんで!?!?)

「何故上杉謙信がここにいる」


殺気を滲ませる秀吉と政宗

「秀吉さん!!政宗!!待って!!争わな…きゃっ!!」

二人を止める前にぎゅっと胸に閉じ込められた

「俺の目の届かぬ所で無理をするな。お前が倒れたら俺は生きた心地がせん…」

(この小さな身体で無理をするな…俺は…)

驚き、ただただ謙信を見つめるだけの二人

驚きのあまり身を離し、秀吉に向き直るやいなや

「どう言う事だ?説明しろ…って、おまっ、、その…紅い跡は…」

唖然とする秀吉

(え!?)


「俺はめいを愛しているからな」

余裕を帯びた声色で告げ、鎖骨についた紅い華をすーっとなぞる

「きゃぁぁーーー//」

(み、見られたっっ)

顔を真っ赤にし、少しはだけた襟を手にかけ顔を背けるとまた謙信に抱きすくめられる

「俺はめいを許嫁として春日山に連れて帰る」

「んなことさせる訳にはいかん」

「面白い事になったな」
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