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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第4章 白夜に映りし碧と翠 【R18】


あの時の謙信の言葉が忘れられない

ーーー何故俺の心を締め付けるのだーーー

優しい口付けの熱がまた蘇る。初めてあった時、冷たく凍りついたような表情を浮かべ、時折儚げな眼差しでめいを見つめていた

第一印象は怖かった。だか、目を逸らせない惹き付ける何かを持っていた

(まだ唇にあの時の感触が…)



佐助は時々めいよ部屋に訪れてた。他愛ない話から、春日山での生活の事を話してくれる

今日は佐助のやってくる日。時々文を書き終え、畳んでいると天井からコンコンと音がする

「どうぞー」

「やあ、めいさん」

サッと軽かやかに褥に降り立つ佐助にいつものことながら感心する

「佐助くんは忍者界のレジェンドだね」


「ありがとう、ニンニン」

表情ひとつ変えずドロンのボーズをし、おどける佐助



「あ、そうそう、謙信様は今安土にいるんだ」


「えっ!?そ、そうなの!?」

(ダメだ、謙信様の名前を聞いただけでこんなにドキドキしてる)

「春日山にいても退屈だと言って、着いてきたんだ」

「そ、そっか…退屈って…また斬り合いしたがってるの?」

「ああ、朝も背後から刀を振るわれたよ」

淡々と話す佐助はもう、慣れたことと言わんばかりの口調

「さ、さすが謙信様…ほかに楽しい事を見つけて欲しいね」


ここ安土城に来るのは佐助のみ。幸村に店番を任せて来ている

「きっと今頃幸村に無茶を言ってるかもね」


「幸村は面倒くさそうに、はいはいとか言ってそうだな」

「あ、でもこの話聞いたら幸村怒るかもね」



めいは憎き信長側の人間ではあるが、戦を嫌い、真っ直ぐで裏表のない性格で、佐助とは友達という事もあり、幸村は敵視していない

コロコロと変わる表情を見てからかう程である

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