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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第22章 とりっくおあとりーと~戦国のハロウィン~政宗【R18】



気がつくと障子越しにまだ夜明け前だった
一糸纏わぬ姿のまま政宗の腕にしがみつき眠っていたのだと分かる

(…また意識飛んじゃったんだ…)

傍に用意していた夜着に袖を通し再び布団に潜り込む

「政宗…勝手に眠ってごめんね…」

眠る政宗に触れるだけの口付けを落とし再び眠りについた



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翌朝、目覚めると政宗の姿が見えない

「政宗??」

慌てて着替えようとすると勢いよく襖が開き

「きゃっーー!!」

「起きたか?」

「っ!?ま、政宗そ、その格好!」

洋装の政宗が立っている。手には風呂敷包みを持っており、めいは何が何だか分からない状態

「ほら、これはお前のだ。それに着替えたら行くぞ」

ぽんと放り投げられた風呂敷包みを受け取ると政宗は部屋を出た

「な、何この風呂敷包みは!?」

訳もわからず包を解くと

「こ、これ…」

中にはフリルをふんだんにあしらったワンピースが入っていた

「ど、どうしてこの時代にこんなワンピースが??」

訳も分からないまま、ワンピースを見つめていると政宗から早くしろと声がかかり慌てて着替えた

「お待たせ」

(サイズは何とかあったけど…)

久しぶりに着る洋服。すっかり着物に慣れたせいか、何だか落ち着かない

「西洋の草履も用意した。これを履け」

「え?パンプス?」

「ぱんぷす?」

「あ、うん。私のいた時代ではこの草履のことぱんぷすって言うの」

サイズもピッタリ。訳が分からないまま洋装で安土城へと向かった





(…何だろ…視線感じる…)

政宗の御殿を後に馬で城下を駆けると城下の人々は皆、きょとんとした顔でこちらを見てくる

「政宗様って、不思議なお方よね」

「あのお召し物は一体なんなのかしらね」

「信長様ゆかりの姫様も奇妙な格好をされてるわね」

(聞こえてますけど…)

皆の視線と噂を耳に、肌で感じるが政宗は悠然と馬を進める

「どうした?めい?」

「…何でもない…」

釈然としないまま安土城へ付いた

(何で、こんな格好で安土城に来たんだろ…)

政宗の半歩後ろを歩きながら悶々としたまま歩き続ける
広間へ着き障子を開けると


「え?」

思わずその場に立ち尽くした
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