第22章 とりっくおあとりーと~戦国のハロウィン~政宗【R18】
「よし、出来たー!美味しい♪♪」
南瓜の煮付けを作り一口頬張ると優しい甘みが広がる
「政宗には叶わないけど、うまく出来て良かった」
皿に盛り付け、一通りの料理を膳に乗せ天守閣へ向かった
「信長様、失礼します」
「入れ」
膳を運び夕餉を三人で摂る
「これが先程の南瓜か?」
「はい、煮付けにしました」
「これはなんだ?」
政宗は不思議そうな顔をして箸をあげる
「それは天婦羅って料理だよ」
「てんぷら?」
「麦の粉と水と卵を合わせたものにくぐらせて油で揚げた料理なの」
二人は共に煮付け、天婦羅を口にする
「ほお、中々の味た」
「この天婦羅と言う料理、後で教えろ」
(良かった!二人共気に入ってくれたみたい)
安堵の表情を浮かべめいも夕餉を取ることにした
三人での和やかな夕餉を終え二人は政宗の御殿へと歩き始める
「南瓜、いい野菜だな。俺の領地でも広めたい野菜だ」
「ほくほくしてるから、きっと喜ばれると思うよ」
「ところで、お前の言ってたはろうぃんとやらは今日だよな?」
(あ…)
すっかり忘れていた。顔を覗き込まれにやりと不敵な笑みが近づいてくる
「お、覚えてたの!?」
「お前の楽しそうに話す顔が焼き付いてたからな。帰ったら楽しみにしている」
「そ、そんな…あんな絵のような服は今ないよ!?」
「心配するな。俺にいい考えがある」
(な、何!?いい考えって…)
落ち着かないまま政宗に手を引かれ御殿へと戻ってきた
「あ、あの…政宗…」
湯浴みを終え戻るな否や渡された服に袖を通す
反論の余地はない。ただ、着物とは着付け方が違う
「へぇ。お前が着るとこうなるか」
渡されたもの、それは政宗の袴と羽織だった
「…な、何で政宗の袴と羽織なの!?」
「お前が着るとまた違うもんだな」
「そ、総じゃなくて!!」
「大人しく話はあとだ。ここで大人しく待ってろ」
「どういう事?」
きょとんとしたのもつかの間、政宗はふっと笑みを浮かべ部屋を出る。
暫くすると政宗は戻ってきたが…
「待たせたな」
「えっ!?!?ま、政宗その格好…」
政宗の格好に驚いた。洋装で、タキシード様な燕尾のジャケットを身にまとっている
「小難しい着物だな。」
歴史の授業で習った世界の偉人の様な姿に目を奪われた