• テキストサイズ

愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第20章 始まりの奏~三成~



違和感を拭いきれないまま湯浴みを済ませ自室へと戻る
寝支度を済ませ行灯の火を落とし眠りについた


翌朝、針子の仕事も休みのため何をしようかと考え廊下を歩いていると光成が見えた

(どこ行くんだろ?)

少し曇った顔が見え、気になって後を追うと門を抜け、城下へと出ていった

(お使いかな?私もちょっと城下へ反物を見に行こうかな)


三成が気になりつつ、めいも城下へと向かった

(あれ、この道、昨日の露店へ繋がる道)

気づけば三成を追うように歩き、昨日夜祭をしていた露店の並び入口へ来ていた


(あれ?見失っちゃった…)

どこへ行ったのか、辺りを見回していると誰かの声がする

咄嗟にものの陰に隠れ、伺って居ると


「三成、やっぱり怪しいな」

(政宗?)

「ええ、これは間違いなく火薬ですね」

(か、火薬!?)

「露店を出してる商人達に聞いたら、この店の奴は近くの宿に潜んでいるようだ」

「なるほど。花火売に見せかけ火薬を流しているようですね」

「っと、その前に」

「わっ!!」

政宗にあっさり見つかってしまった


「政宗!?どうして分かったの!?」

「隠れるなら、もうちょっとまともに隠れろ、着物の裾が見えてるぞ」

「あっ…」

(しまった…)

油断して、裾が見えていた

「めい何故ここに?」

三成は不思議そうな顔をしている


「そ、その、昨日の三成くんの表情が曇った気がして…」

「お前は、変なところで鼻が利くな」

「は、鼻が利くって…」

その時、こちらに誰かが来る気配がした

「三成、めい、こっちだ」

「えっ!?ちょ、わっ!」

ぐいっと腕を引かれ、物陰に隠れた


「静かにしてろ、あいつは昨日の花火屋の奴だ」

用心深く辺りを見回しながら歩いてくる

「昨日、三成が拾ったこの玉を探しに来たってところか」


暫く様子を見ているともう一人がやって来た


「おい、お前、昨日忘れたあれは?」

「それが、この辺にあるはず何だか…」

「あんなもの拾われでもしてみろ、俺達の命はないぞ?」

「分かってる、大名様へお渡ししないと行けない大事なものだ」

二人は焦っているが、政宗と三成は顔を合わせ頷いた
/ 231ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp