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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第19章 童心忘れるべからず~信長 ~R15~



(セーフ!)

三成より先にお茶を入れる段取りをすることが出来た
お茶を配り終え政宗の手料理に舌鼓を打つ


(美味しいー!)

体を動かした後のご飯は格別
政宗お手製の里芋の煮物はしっとり柔らかく舌鼓を打った

「美味しいー!」

「沢山あるからしっかり食えよ」

ぱくぱくと食べ勧め楽しい夕餉のあとゆったりと湯殿で汗を流した

(さっぱりした)

湯浴みを終え天守閣へと向かう途中、人の姿が見える

「信長様?」

天守閣とは反対の方向へと歩いていくため気になった

(どこ行くんだろ?)

気になりあとを追うようにめいはついて行った


(ここは…)

信長が入っていったのは台所
優雅に暖簾をくぐり、小さな壺を出し何かを食べている


(ん?あれって…)

こっそり覗けば金平糖を頬張っている
その姿がまるで子供のようで可愛らしく見えた

「ふふっ」

「誰だ?」


「あっ…」

声を漏らしてしまったため、見つかってしまう

「ご、ごめんなさい…その、お姿が見えたのでつい…」

「なんだ、貴様か」

悪びれる様子もなく一つ、また一つと金平糖を口に運んでいる


「信長様は本当に金平糖がお好きなのですね」

第六天魔王と呼ばれる男
小さくな砂糖菓子を愛する姿はまるで無邪気な子供のようだ

「なんだ?貴様も欲しいのか?」

「え?う、んっ…」

口の中に金平糖が転がり込んだ
ゆっくりと溶け、広がる甘み。子供の頃、よく食べていた懐かしい味

「ふふ、今日は信長様に見つかったり見つけたりの日ですね」

かくれんぼでは見つける前に見つかり、今は見つけて驚かされ
他愛ない瞬間が胸を甘く締め付けた

「秀吉に見つかる前に戻るぞ」

「はい!」

懐から和紙を取り出しいくつかの金平糖を包んだ信長と共に天守閣へと戻った





「今日は楽しかったです。信長様を見つけるのではなく、見つかってしまいましたが」

「かくれんぼとは、案外有意義であった」

膝枕をし二人の間にゆっくりとした時間が流れる

「ふふ、でも今度私がまた鬼になったら絶対信長様を見つけます!」

(信長様見ーつけた!って言いたいもん)

「もし見つけたならば褒美をやろう」

笑みを浮かべた信長は上体を起こすと、めいをその場に組み敷いた
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