第19章 童心忘れるべからず~信長 ~R15~
急な階段を登ればてっぺんの窓を開けている
(あれ?)
そこには誰も居ない。いつも窓辺に凭れ酒を煽る信長の姿が目に浮かぶ
「よくここで信長様とお酒飲んでたな」
独り言がこぼれ落ちる
そよそよと心地よい風が肌に触れ思い出が蘇ってくる
(どこにいるだろ…信長様…)
ーーギシッーー
(!?な、何!?)
下からなにか音がする。不安と恐怖がこみ上げ隅の方に移動し、小さく蹲ってしまった
(なんだろ…の、信長様!!!)
「貴様、何をしておる?」
「!?!?の、信長様!?」
そこには酒を持ち、抜き足で階段を上がって来た愛おしい人の姿
「な、何故隠れて居ないんですか!?」
堂々と現れた信長の姿に目を白黒させる
「何を言っておる?ずっと隠れておったが貴様が一向に来ないからだ」
悪びれる様子すらない信長はめいの隣に腰を下ろした
「あ、あの、信長様…」
「なんだ?」
「信長様が最後の隠れ人です。見つけましたので、かくれんぼは終わりになります」
(形はどうあれ、あっさり見つけちゃった)
「ならばどうすればよい?」
「えーと、皆広間に集まっているので、行きましょう」
立ち上がるとぐいっと手を掴まれ引き寄せられる
「きゃっ…!!の、信長様!?」
「まずは貴様を味わってからだ」
「えっ!?あっ…んんっっ!!」
口付けが降り注ぎ項を固定された
すぐ様滑り込まれた舌で舌を絡め取られ深く中をまさぐられた
(こ、こんな…だ、だめ…!!)
必死でしがみつき、口付けに応える
立っているのがやっとになるほど体はふわふわとしてしまった
「ふぁ…っ」
「今宵は覚悟をしておけ」
甘く胸が疼いてしまう
信長に手を引かれ皆の待つ広間へと向かった
(ど、どうしよう…今、顔赤いよね…)
もっと無邪気に遊んでもらいたかったのに、いつもの様に翻弄されてしまった
広間へ着くと政宗が膳を運んでいた
「いい所に来たな。夕餉だ」
「わぁー!政宗が作ってくれたの??」
煮物に焼き魚、汁物、お手製の香の物も揃っている
「相変わらず政宗の料理は見事なものだ」
「あ、私、お茶入れますね」
(三成くんが目をつける前に!!)
破壊的に不器用な三成はお茶を入れたがるが、何としても阻止しないといけない