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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第19章 童心忘れるべからず~信長 ~R15~



続いてやって来たのは光秀の部屋
襖がほんの少し開いていて、気になった

「失礼します」

中に入るが誰も居ない
きょろきょろと見回すと屏風からほんの少し着物が見えた

(もしかして?)

忍び足で近づくと…



「…やられた…」


布団を丸め羽織を掛けているだけ
光秀に騙されたのだった


「どこだろ…」

辺りを見回しても姿はない
その場を後にし再び隠れた二人を探しに行った



(うーん…)

あちこちの部屋を開けてみるが女中か家臣しか居ない
皆、微笑ましく出迎えてくれるが焦りは募るばかり


襖を閉め廊下に出たところで一人の影が見える
が、どう見ても、女物の着物を着た人が角を曲がっただけで見つからない

(ん?でもなんか違和感が…)

ちらっと見えただけできちんとは見てない
だが、何か違和感があった

誘われるまま女の向かった方へ歩いていく。が、姿はない
襖が閉まった様な音がした

「ここ、秀吉さんの部屋だよね?」

恐る恐る開けてみるが誰も居ない
だが、ここには押し入れのような作り付けの襖のついた棚がある

(確かここに、お布団入れてたような…)

そっと開けた途端


「ーーー!!!!!!!」


「なんだ、もう嗅ぎつけたか」

そこには女物の着物を着た光秀が入っていた


「なな、何でーー!女物の着物を!?!?」

「目をくらませる為だ」

女中に借りた着物を身にまとい薄ら笑いを浮かべ出てきた光秀

「…心臓に悪いです…」

「侵害だな。見つかったなら、この着物はもう必要ない」


「ままっーー!待って!」

帯に手をかけその場で脱ごうとしている光秀を制し、自室で着替えてから広間へ行くように懇願した

「減るものではない。なんだ?疚しいことでも考えておったか?」

「なっ!ち、違います!!」

くすくすと笑いからかわれながらもその場を後にし残るは一人、愛おしい男を探しに出た




「残るは信長様一人」

本丸は散策し尽くした
武器庫は厳重に鍵もかけられている。そこには居ないだろうと踏み天守閣へ向かった


(日が傾き始めたなあ…)

信長の自室には姿はない
天守閣を気に入りここを自室としている


(信長様の行きそうなところ…あっ!)


何かを思いついたように部屋を出て真っ直ぐに足を運んだ



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