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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第13章 戦国のばれんたいんを政宗と 【R18】


「ったく、帰ってきたと思えば…忙しい奴」

政宗の言葉は届くことなく部屋に溶けてゆく
暫くしてめいは盆に茶碗を乗せ帰ってきた

「お待たせ」

(喜んでくれるかな)

政宗の前に盆を置くと物珍しい目で政宗は茶碗の中の物を見ていた

「何だこれ?」

「ふふ、ホットチョコレートっていう飲み物なの」

湯気が立ち込め、甘い香りのする茶碗を見つめ政宗は一口飲んでみる

「まろやかで、甘くて美味いな。初めての味だ」

「良かった!私のいた時代にはね…」

チョコレートの事、牛乳の事を話すと政宗は興味津々と耳を傾ける

「へぇー。牛の乳を飲むのか」

「まろやかでコクがあって、骨が丈夫になるから子供の頃、よく牛乳は飲んでたの」

(懐かしいなぁ)

「あ、後ねこれ…」

竹の皮に包んだチョコレートを差し出す

「これは?」

「チョコレートだよ。その飲み物に入っているものと同じものなの」

茶色い塊で不思議な形をしたもの。甘みの後にほんのりと苦味が口に広がる

「これも美味いな。甘みと後引く苦味がほのかにある」

「今日はね、バレンタインっていう女性が男性に愛の告白をする日なの」

「ばれんたいん?」

政宗にとって、今日という日は初めてづくしになり好奇心が掻き立てられる

「意中の男性にこのチョコレートって言う甘味を渡して想いを告げる日なんだよ」

500年後の日ノ本から来ためいの話は政宗のにとって好奇心を掻き立てられ聞いていて飽きない

「そんな文化があるんだな。で、どうやってこの、ちょこれーとと牛乳を手に入れたんだ?」

ニヤっと笑う政宗の目は何か獲物を見つけたような光る目をしている

「そ、それは…」

(言っていいのかな…)

グイっと抱き寄せられ、鼻先が触れるほど近くに顔を寄せられる



「さ、佐助君が…政宗の為にって分けてくれたの!」

「佐助ってあの人は春日山の忍びか?」

佐助も500年後の日ノ本から一緒に来たことは聞いていた政宗。信長の敵、上杉謙信の家臣として仕えているが、めいの言葉を信じ敵視はしていない

「私が…政宗の事、愛してるって…知ってるから…その…」

(知らない所であったから、怒られるかな…)

「佐助君に会ったこと黙っててごめんなさい」


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