第13章 戦国のばれんたいんを政宗と 【R18】
公務に出かける政宗を見送り、城下へとやってきた
賑わいの中、露店に見知った顔がいる
「あ、佐助君!」
(来てたんだ!)
「めいさん、良かった。いいものがあるんだ」
日陰になるところに置かれた小さな瓶と小包みを手渡された
小包にはチョコレート、瓶には牛乳が入っているとのこと。珍しい甘味の噂を聞きつけた信玄の頼みで買いに行った時に多めに買ってくれたらしい
「ありがとう!まさか、ここでチョコレートと牛乳に巡り会えるなんてビックリ!」
(今日バレンタインデーだし、チョコあげようっと)
思わぬ出来事に嬉しさが込み上げる。佐助にお礼を述べ早速城へ戻り政宗の帰ってくる前にチョコレート作りに取り掛かった
「うーん…いびつ…」
現代とは勝手も道具も違う。何とか鍋でチョコを溶かし銅板に流し込み固める
「…ちゃんとハートにすることできなかったな…」
この時代、ハート型などない。それらしい形に何とか屈して固めたもののショックは隠せなかった
「あと、この牛乳を…そうだ!」
なにか閃いたためいは涼しいところに残りのチョコレートと牛乳をしまい政宗の帰りを待った
(喜んでくれたらしいいな…)
夕刻、部屋で照月と戯れていた
「照月も政宗のかえりが待ち遠しいよね」
喉をグルグルと鳴らしひざの上で戯れ付く照月に話しかける
「みゃー」
「ふふ、照月も政宗の事、好きだね」
ふかふかの毛を撫でていると廊下から足音が聞こえる
(もしかして)
「めい、今帰った」
「政宗!!おかえりなさい」
「みゃー!」
照月はぴょんと膝から降りると真っ先に政宗の足元に擦り付き甘え始める
「ほぉ、照月も出迎えてくれるか。いい子にしてか?二人とも」
「ふふ、子供じゃないんだから」
傍によると掠める口づけが落ちぎゅっと抱きしめられた
「んっ…政宗!!くすぐったいよ」
首筋にじゃれるように鼻を擦り付けられくすぐったい
「お前、甘くて不思議な匂いがする」
(あ、そうだ)
「そうだ、政宗のために甘味を作ったんだよ!」
「甘味?」
「うん、ちょっと待ってて!すぐ持ってくるから!」
腕をすり抜けパタパタと廊下を小走りに駆け出した