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十四郎の恋愛白書 1

第2章 No.2



それにしても、病院食というのは味気ない。
何より、オレは医師からマヨネーズを禁止されていた。
それでも、隊士にこっそりマヨネーズを差し入れしてもらっているが。


しかしさすがに1週間も経つと、ゆきのマヨネーズに対する禁断症状が出てきた。

ゆきの手作りマヨネーズが食いたい。

ゆきは見舞いに来ない。当然だ。ゆきはオレが入院していることを知らない。隊士には誰もゆきの存在を知らせていないので、連絡が行くはずがないのだ。


心配、してくれているだろうか。
オレが急に店に来なくなって、寂しく思ってくれているだろうか。
もし、もしも、毎日マヨネーズを作って、オレを待っていてくれていたとしたら…。

そう考えると居ても立っても居られなくなった。
直ぐにでも退院しなければ!

ゆきのマヨネーズが食いたい。
ゆきが待ってくれているかもしれない。
ゆきに、ゆきに…、会いたい…。


しかしその日、総悟が差し入れてきたマヨネーズに、激辛唐辛子が混ぜてあり、あまりの辛さに身悶えて傷口が開き、結局オレは2週間きっちりと病院に世話になった。



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