第5章 ~参半~BE LOVED2
技術開発局
「ようサラ。頼まれてたモノ出来てるぜ」
そう言って阿近は私に小さな箱を手渡した
「…これが霊圧制御装置?」
開けてみると中には鶯色をした石が埋め込まれた細身の指輪
「オマエの首にあるやつと同じ色だろ。この色出すの大変だったんだぜ?」
「うん…凄く綺麗。阿近はすごいわ」
「そりゃどーも。…貸してみろ。つけてやるからどっちか手だせ」
「うん…?(指だから自分で出来るけど…)」
私は言われるまま何気なく左手を出す
すると阿近は口端を上げた
「左ねぇ…知ってるか?現世では左手の薬指に嵌めれるのは夫となる者だけなんだぜ?」
そう言って阿近は薬指に指輪を嵌めた。思わず阿近を見るとニヤニヤと笑っていた
「…じゃ阿近が私の旦那様?」
阿近の少し驚いた様な表情を見ると、私は挑発的な笑みを返した
「……お前なぁ、もしこれが本当に愛の告白だったらどうすんだよ?」
「そんな人はニヤついたりしません!!」
「あぁ…成る程。お前そういうの鈍そうに見えんのにな」
「そういうのって?」
「...ま、そういうトコがいいんだろうがな」
阿近の言ってるコトが分からず聞き返そうとした時、甲高い声が響いた
「阿近、此所は逢引する所ではないヨ」