第5章 ~参半~BE LOVED2
「ったくあの野郎…」
眉を深く寄せた冬獅郎が溜息をつきながらこちらに戻ってくる
「まぁまぁ…今日はやってる方だから」
「確かにいつもより終わってるが…」
「でしょ?それに冬獅郎の為に甘納豆買いに行ったのよ?今日はいいじゃない」
「オマエ…サボる口実に決まってんだろ?あんま松本を甘やかすな」
そう言ってまた溜め息をつくと冬獅郎は机に戻り、私も仕事を再開した
何時間か経った頃、冬獅郎は伸びをして欠伸をした
「眠くなっちゃった?」
「んー…書類も一段落したし昼寝でもするか。オマエも休憩していいぞ?」
そう言うと冬獅郎はソファーに横になる。が、上手く位置が決まらないらしく寝返りを繰り返す
「寝苦しい?」
「頭の位置が低くてな…何か枕代わりがあればな...」
私は少し考えると、ソファーの下に座り直し、正座をして自分の膝をポンと叩いた
「え?」
「膝枕。枕無いよりはいいかと思うんだけど…」
「いやっ!?別に無くても寝れるし、そんな膝枕なんて…」
冬獅郎は突然の事と思ったのか慌てふためいている
「そんなに遠慮しなくても…」
私は気に止める様子もなく、そのまま仕事を再開する
「(折角サラから誘われたのに...何で断んだオレ)
……ぃぃのか…?」
「どうぞ?」
「……失礼シマス////」
冬獅郎は真っ赤になりながらもサラの膝に頭を預ける
その瞬間、サラの香りが鼻を擽る
(すっげぇいい匂い…甘くて暖かくて…心地いい―――)
サラを覗きこむと、ふと目が合い微笑まれる
「――――/////」
さっきよりも赤くなり目を反らすと頭を撫でられる感触。優しくゆっくりと触られる仕草に、冬獅郎は瞼が重くなり、すぐに深い眠りへと落ちていった
――――
「只今戻りました隊長♪甘納豆買ってき…何?」
大声で執務室へ入ろうとする乱菊に、サラは口の前で人指し指を立てて制する
乱菊はサラの膝を覗くと納得したように笑った
「成る程ね、気持ちよさそうに寝ちゃって…隊長寝てると可愛いんだけどね~起きてると眉間に皺寄りっぱなだし」
「あら、起きてても可愛いわよ♪」
二人は綺麗な顔で眠る少年を優しい顔で見つめ続けた