第2章 ~壱~MEET
その頃、流魂街では、住人達が衣服だけ残して跡形もなく消えるという変死事件が頻発していた
その事態に、死神が住む瀞霊廷では、喜助らが所属する護廷十三隊が原因究明に乗り出していた
サラと会えなくなって一か月が過ぎた頃...
[緊急招集!各隊隊長は一番隊舎に集合願います 九番隊に異常発生!]
[九番隊隊長 六車拳西及び副隊長 久南白の霊圧反応消失!それより――――]
喜助は焦る思いで一番隊舎へ向かっていた
その日、喜助は忙しさから自分の代わりに部下を九番隊に派遣かせていた
扉を乱暴に開けると、総隊長の山本元柳斎の烈迫とした声が響く
「火急である!!報告によれば九番隊隊長、副隊長の両名の霊圧が消失、原因は不明!これは想定し得る限り最悪の事態である!
これによって隊長格を選抜し現地に向かってもらう!」
話が途切れると、黙って聞いていた二番隊隊長の夜一は、
扉に目を向けた
「喜助」
「遅いぞ十二番隊長、浦原喜助」
「...ボクに、行かせてください!!」
「為らん」
「!! ボクの副官が現地に向かってるんス!ボクが...」
「情けないぞ喜助、取り乱すな!!自分で行かせた副官じゃろう!?御主が取り乱すのが其奴への侮辱じゃというのが解らんのかっっ!!」
喜助がその言葉に口を紡ぐと、元柳斎がまた話し始める
「三番隊隊長 鳳桜十朗、五番隊隊長 平子真子、七番隊隊長 愛川羅武の三名を現地に向かわせる」
言い終えると扉が開き、鬼道衆総師大鬼道長 握菱鉄栽と、副鬼道長 有昭田鉢玄が現れる
「話は伝わっておるな、御主らにも現地に向かってもらいたい」
「おーい山じい!」
八番隊隊長 京楽春水の間延びした声が響き、緊張感のない声にギロリと視線を向けた
「や、すんません...あのさ、状況も分からない前線にこんな2人が両方行っちゃうのはマズイんじゃない?」
「...ならば何とする」
「代わりにうちの副隊長を行かせますよ」
こうして鉄菱の代わりに矢胴丸りさが先遣する事となり、
各自隊長は散って行った
喜助は表情を曇らせながら隊舎へ戻るも、嫌な感じを拭えない
人目に付かないように隊舎を出ると、一人現地へと向かっていく。暫くすると、ある人物が目の前に現れた