第2章 ~壱~MEET
「これからも霊力は高まるはずだし、今に自分じゃ負えなくなります。厳しいかもしれませんが...出来ます?」
「...どうしたらいい?」
「(頭のいい子じゃ...)心配するな!その為に我々がおる」
「自分で自分を護る、私ら死神の力...[斬拳走鬼](ざんけんそうき)を教えます」
斬拳走鬼
斬―――斬術 剣術
拳―――白打 体術
走―――歩法 戦闘移動法
鬼―――鬼道 呪術
喜助さん達と修行を始めてから早十数年、私の見た目も12、3歳程度になった
流魂街は見た目の成長がかなり遅い
中には千年くらい生きる人もいるらしい
少し成長した私は喜助さんに追いついた気がして
もっと早く成長したいと思っていた
「今日はここまでじゃな」
「あ、ありがとうございました...」
私は荒い息を吐きながらその場にへたり込む
「こんなに早く儂と同格の瞬歩が出来るようになるとはな...若いのー」
「でも剣術や体術はかなり手加減してもらってるのに一度も勝てないもん...」
「そりゃこっちは現役ッスから...負けたら立場ないッス」
喜助はその言葉と裏腹に、サラの成長ぶりに目を見張っていた
サラは無意識のうちに霊力を抑えていた
もしサラが本気をだせば死神の上官と同じくらいには渡り歩けるだろう
もしくは.....
「さて...サラ、アタシら暫く顔出せそうにないんスよ」
「えっ?どうして!?」
「近頃、物騒な事件が続いておってな?厳戒令が解けるまで任務以外で出れんのじゃ」
「そう...」
一瞬寂しそうな顔を見せるも、サラは2人に笑顔を向けた
「分かった!2人共お仕事頑張って...気を付けてね?」
「サラ...すぐに、すぐに片付けて会いに来るッスから!!」
「あはは♪痛いよ喜助さん」
力強く抱きしめる喜助さんに私は思わず笑っていた
これからもこんな風に続けばいいのに
そんなささやかな願いすら
叶うコトはなかった.....