第5章 ~参半~BE LOVED2
この日私は非番であった
だが死覇装に身を包み、ある場所へ向かっていた
「ここが技術開発局…」
技術開発局というのは死神に必要な霊具、技術の開発、研究などを行っている機関で、十二番隊が兼任している
「失礼します。先日ご連絡したハルカですが…」
「あぁ、あっちの部屋で待ってろ」
黒髪で額に角の生えた男が顎で奥の部屋を指す
私は通された部屋で待っていると、先ほどの男が現れ目の前に湯飲みが置かれる
「これ…」
「現世の飲物で【珈琲】っていうんだ。苦かったら砂糖入れていいから」
私は何も入れず黒い液体を一口飲んでみる
「あっ…美味しい♪」
思わず笑みが零れる私に男はフッと笑った
「そうか、お前イケる口だな。周りはこの味が解んねぇみてえなのに」
「ありがとうございます。えっと…」
「あぁ自己紹介まだだったな…俺は阿近、宜しくなサラ。タメ口でいいぜ?」
「…私の名前知ってるの?」
「オマエはオマエが思ってる以上に有名人だからな。まぁ気にすんな、他に気になる事があって来たんだろ?」
「あの、あまり人に知られたくなくて…内緒にしてもらえる?」
「オレが軽そうに見えるか?」
「ふふっ…見えない♪」
「だろ、心配すんな。で?」
「あの、この首飾りなんだけど...」
私は首に付けている首飾りを見せる
それは喜助さんからもらったものだった
「あのね、この首飾り霊圧制御装置なんだけど...」
「制御?」
貰った時には気付かなかったが、付けていると霊圧を抑える負担が少ない事に気が付いた
喜助さんは、将来を見越していたのか、それから私は肌身離さず付けていた
「最近調子が良くなくて…壊れちゃったかもしれないの」
「…付けたままでいいから見せてくれるか?」