第4章 ~参~BE LOVED
海燕の事を愛していた
オレは解っていながらも胸が締めつけられる
今も昔も叶わないのかと…
「―――そうか…」
「酷い話よね…気付いた時にはもういないんだもの」
「いるよ…ちゃんとお前の"ここ"にいる」
オレはサラの心臓を指差す
「心は此処に置いていける…そう言ったんだろ?ならこれからもオマエと一緒にいる」
「…一緒に?」
「そうだ。オマエが忘れなければいつだって其処にいる…それは喜助って人も同じだ。だからその人から貰った大切な気持ち…ちゃんと覚えとけ」
その言葉を聴いた瞬間、サラの瞳から涙が溢れる
「ふっ…うあぁっ…」
「やっと…自分の為に泣けたじゃねぇか」
サラはオレにしがみつき、初めて自分の為に泣いた
涙は止めどなく溢れ止まる事はなかった
―――――
「落ち着いたか?」
「...ごめんね、もう平気。でも…何か止まんない…」
未だに涙を流すサラは困ったように笑う
「泣きやめよ…」
オレは呟くと、サラの涙を手で拭い、瞼にキスを落とす
「ぇ…?」
そのまま頬、鼻、顎と次々にキスを落としていく
「ん………」
そしてオレは親指で唇をなぞると
そこに優しくキスをした
「………どうして?」
ゆっくりと唇を離したオレを見つめながら濡れた瞳で問いかける
「…おまじないだ//」
少し顔を赤らめ目を反らすオレを見てサラはフッと微笑んだ
「それ…おでこだょ?」
「…そうだっけ」
そう言うと二人は顔を見合わせ額をくっつけ笑った
「ありがとう修兵―――」
海燕さん
これからも見ていてくれますか
貴方のその優しさが
貴方の真っ直ぐな瞳が
本当に大好きでした
好きになってくれて
本当にありがとう