第2章 ~壱~MEET
「誰がこんな男女を...」
またもや蹴り飛ばされる喜助さんを不憫に思いながらも、ケラケラ笑う夜一さんを見た
「違うの?」
「面白いヤツじゃのー気に入った!!女好きなお主が最近真面目になったのも納得じゃのう喜助?」
「ちょっと!いたいけな女の子の前で何言ってんスか!?」
(いいなぁ.....)
またも言いあう2人を見つめながら、サラは笑みを浮かべた
「そうそう、夜一さんを連れてきたのには訳があるんス」
「訳?」
「夜一さん、どうです?」
「そうじゃの...確かにコレはスゴイ」
「でしょ?....サラ、私らと一緒に修行しませんか?」
「修行?」
「前にアナタの霊力について話しましたよね、それが次第に大きくなっています...どういう事か分かります?」
「...また虚に狙われるかもしれないってこと?」
「その可能性だってあります。虚はより質のいい、霊力の高い魂魄を求めていますから...それを取り締まるのが我々死神なんですけどー」
「茶化さんで真面目に話せんか」
「夜一さんは怖いな~...で、真面目な話、サラは霊力が以上に高い。高いとそれだけリスクが上がります」
「そんなに高いの?」
自分の体を眺め、キョトンとしているサラを喜助は真剣に見つめる
このままいけば...
いや、もしかしたら我々と同等なくらい―――
「なのでサラには霊力を抑えられるようになってもらおうと思いまして、どうです?」
「....自分ではよく分かんないんだけど...でも、2度も殺されるのはイヤだから...お願いします!!」
頭を下げるサラに安堵の表情を浮かべながらも、喜助は内心複雑だった
自分から提案したもののこれでよかったのか
身を守る為に必要なコトだとは思っている
だが霊力がある以上、これから死神になる可能性だってある
できれば...というか死神にはなってほしくない
サラには...〝普通”に生きてほしい
いつの間にか、サラの存在は喜助にとって家族同然の存在になっていた