第4章 ~参~BE LOVED
海燕が虚に―――
ルキアは訳が解らず困惑する
「…か…海燕…殿…?」
〈何故…そう何度も儂の名を呼ぶ…そんなに儂が心配か小娘…そんなに儂が…〉
海「愛しいか、小娘」
海燕の声で呟かれた言葉。変わり果てた海燕の姿にルキアはただ驚くことしか出来なかった
〈そんなに儂が愛しくば…先ずお前から喰ろうてやろう!!〉
ルキアに襲いかかろうとする海燕を浮竹が刀で受け止める
「…逃げろ朽木」
「…え…?」
「早くしろ!!死にたいのかっ!?」
ルキアは逃げるように駆け出す
死にたくなどはない…だからと言って私は海燕殿が傷つく姿も見たくなかった
どうしてだ…どうしてこんなことに…
「海燕殿…!!」
ルキアはこんな残酷な運命を嘆いた
〈どうした…何故斬りかかって来ない!?わかっているぞ!!
此奴の中から儂だけを引きずり出す方法を考えておるのだろう!?無駄だ…
人間の肉体に入り込んだのとは訳が違う。儂も霊体、此奴も霊体…霊体同士の融合だ。永劫解けることはない!!
これからじっくり一晩かけて儂が此奴の霊体を内から喰らい尽くすだけのことだ!!〉
そう言った海燕の姿の虚を浮竹は躊躇なく切り裂いた
「ならば致し方ない… 海燕の体ごと…おまえを斬ろう」