第4章 ~参~BE LOVED
その頃、海燕さんにより意識を失っていた私は目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした
「どうして…」
私は顔を歪めると。毛布をギュッと握りしめた
私は昨日の出来事を思い出していた
私がちゃんと虚を倒せていたら…そういえば何故虚は私を襲わず逃げたのだろう
〈今宵はあの力は使えぬ故、改めてお主を喰らうとしよう…〉
"あの力"とは何の事だろう…
そういえば都さんの斬魂刀が何処にも無かった
もし虚に特殊な能力があったとしたら――
「――海燕さんが危ない!!!」
私は部屋を飛び出し海燕さんの元へと向かった
斬魂刀が消滅した海燕は素手で虚と闘い、地道だはあるが着実に追い込んでいた
〈ヒヒ…斬魄刀無しでここまで粘るか…中々やりよるのぅ小僧…?〉
「…当たりめぇだろ。テメェごとき鬼道があれば充分だ。悪いがこのまま倒させて貰うぜ!!」
〈…小僧が舐めた口を利きよる…仕方ないのぅ、昨日の今日で使いとうはなかったが…そこまで嘗められては致し方ないのう!!!〉
虚の触腕が体から外れ、海燕の腕に入り込む。その瞬間虚の体は砕け散っていった
「…海…燕…殿…!?」
海〈…何じゃ、儂を呼んだか小娘!!!〉
そこにあったのは――
体を乗っ取られた海燕…
否、
虚だった