第40章 ~拾玖~HOME
「いらっしゃーい...」
開かれた戸から入ってくる人物に喜助は眼を疑う
だってそれは紛れもなく...
「.サラ.....さん?」
柔らかな笑みを携えた彼女は、髪は短くなっているものの、その笑顔は変わらないままで
喜助はいるはずのないサラの姿に、腰を上げることが出来ない
そうしているうちに、サラは喜助へと歩み寄り、隣へと腰を降ろした
「あ、の…ホントにサラさんッスか?」
「はい」
サラが変わらない笑顔で頷く
「いつ...」
「3ヶ月くらい前です。色々あって来るのが遅くなってしまって...」
次第に現実味が襲ってきて、喜助はサラに触れようとすると、それより先にサラ頭を下げた
「サラ、さん?」
「私、謝らなければいけません」
「謝る?」
「私はあの時、喜助さんが止めるのも構わずに、力を使いました。私の生きる糧は護るということ…その為には自分はどうなっても構わないとさえ思っていました」
顔を上げたサラはまっすぐに喜助を見つめる
「何度も命を諦めた...ごめんなさい」
「...サラさんが謝る必要なんて、これっぽっちも無いんスよ...全てはアタシが招いた結果です。何度も何度もサラさんを傷つけた。謝るのはアタシの方だ」
喜助はサラに縋るように肩に手を置くと瞼を伏せた