第40章 ~拾玖~HOME
鉄「それじゃあ行って参ります店長」
「お願いしますテッサイさん」
ジ「しっかり店番しとけよなっ」
「はいはい」
雨「喜助さんバイバイ」
雨に手を振り返しながら、買い出しに出掛けた三人を見送る
一人店番で残った喜助は、下駄を鳴らしながら、土間の縁側に腰掛けた
駄菓子屋といえ、滅多に来ない店内は静まり返っていて、いつもが心地いいくらいに騒がしい為、少し空虚に感じられる
(一人になるなんて滅多に無いッスもんねー…)
喜助は外から聞こえる子供達の声に耳を傾けながら、目を瞑った
あれから一年以上か…
藍染が投獄され、徐々に平穏が訪れつつある中、護廷十三隊にも変化が訪れた
虚化の実験となった破面の軍勢は、隊へと復帰し、隊長格の穴埋めをしている
かく言う自分も冤罪と認められたが…このまま現世に残ることにした
現世に居た方が何かと融通か効くし、元々上の立場に立つガラじゃない
自由に尸魂界とを行き来出来るようになっただけで充分だ
(充分…)
喜助は目を開くと上体を倒し寝そべった
天井を見つめながら、先程の疑問に自問自答する
充分だが…満足じゃない
だって此処には
サラがいない