第39章 ~拾捌半~CRY2
サラは体を引きづりながら皆が集まる場所の中央へと辿り着く
虚ろな目で辺りを見渡すと、体の一部の無い者、骨を砕かれた者、瀕死で虫の息の仲間達が沢山いて
(皆...)
サラはもう一度鞘から斬魄刀を抜くと片膝を地面につけた
冬「サラ、何を…」
「(月華...お願い...もう少しだけ私に力を―――)」
サラは月華を地面へと突き刺した
その瞬間、辺り一面に銀結晶が包み込む
キラキラと輝き羨む程の美しさに誰もが心を奪われつつも、その暖かさはまるで羊水の中にでもいるようで
平「な、なんや…ひよ里が…」
ひよ里の真っ二つに引き裂かれた体も
乱菊の潰された内臓も
桃の粉砕した骨も
鉢玄の失われた手も
死神達のあらゆる傷を温かさが包み込み癒していく
それだけでなく、半倒壊した空座町さえも元通りになっていく
山「御主…もうよい…もうよい辞めるのじゃ…でないと御主が死んでしまう!!!」
サラは尚も霊圧を放つ。藍染から受けた傷は致命傷で、自分の霊圧にすら耐えきれず、体からはとめどない鮮血が溢れ服を汚していく
自分で判る…
私はもう永くない
それなら私は
護る為に………
サラの身体から霊圧が消えていく
それと同時に銀色の世界も消えて行った
喜助が歩み寄る
サラの体は動かない
突き刺された月華を抱きしめるように項垂れるサラの姿、大量に溢れた血は白かった衣装を染め黒く変色させていて、まるで....
昔着ていた死覇装のように
「サラ...」
サラは動かない
その表情は笑みを浮かべていて
喜助は膝から崩れ落ちるとサラを優しく抱きしめた
「サラ...ありがとう...」
皆が集まる中、喜助は静かに涙を流した
皆もただただ涙を流し続けた