第39章 ~拾捌半~CRY2
近づく霊圧に藍染は笑みを浮かべる
「やはり殺していなかったか...嘆く事は無い。直ぐに君も同じ所へ送ってあげよう」
その表情は冷酷にも慈悲にも見える。対峙する喜助は、サラに目を向けると静かに言い放つ
「今貴方の相手はボクだ。余所見してると―――」
「どいて...」
その言葉に喜助は目を見張る
「駄目です...今の貴女は冷静な判断が出来るようには見えない。それにそんな傷では...」
「どいてください」
抜き身の刀を携えたサラがゆっくりと歩みよる
静かな怒り、その瞳は何も写してはいない
喜助は背筋がゾクリと震えた
言い逃れの出来ない、有無を言わせないその姿に、動きが止まる
その瞬間に、藍染は喜助の前から消え、サラの前へと向き合った
「女性の言う事は訊くもんだ。君達は成り行きを観ているといい」
喜助は唇を噛み締め眉を寄せるも、サラの気迫にただただ見守るしかなかった
「赦さない...」
「まだ向かってくるのか?」
「何度も言わせないで...藍染惣右介、貴方を殺す」
藍染は喉で笑うと斬魄刀を放り投げ腕を組んだ
「...どういうつもり?」
「こんな機会はそう無いものだ。ならば見てみたいとは思わないか?
君ががどんな事が為し得るのか。どんな戦術を考えつくのか...何処まで悪あがきが出来るのか...」
「藍染...」
「見たいと思うのは当然のことだとは思わないか?」
私は首飾りに手をかけると鎖を引き千切った