第39章 ~拾捌半~CRY2
ハッと瞼を開く
私は意識を振るうと咄嗟にに起き上がろうとするが、眩暈を感じて頭を抑える
「(この感覚は...白伏....)」
息は荒いものの、新しく付けられた傷はない
以前、ルキア奪還の際、夜一さんが一護にした麻酔薬…
「ギンッ―――――...!!」
私は藍染の傷を癒すことすらせずに、強大な霊圧に向かい走り出した
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飛び散る血
ギンの手の中の崩玉は、藍染の胸の中心へと四散して戻っていく
ギンが崩玉を睨みつける
「進化には恐怖が必要だ。今のままではすぐにでも、滅び消え失せてしまうという恐怖が。ありがとう、ギン。君のお陰だ」
「ギンッッッッ !!!!!」
その声が聞こえた時、藍染の刀がギンを斬り裂いた
ギンが地に落ちていくのを、名前を叫ぶ本人が受け止める
「ギン...ギン...やっぱり...どうしてこんな...」
頭上の遥か上空、藍染はこちらを気にする事もなく、夜一さんを引き連れた喜助さんと対峙している
ギンに目を向けると、荒い息を繰り返し、ゆっくりと瞼が開かれた
「ギン!!!」
「あぁ…気持ちええ思ったらサラちゃんやった.....アカンかった。結局とり返されへんかった」
「喋らないで...待ってて今すぐ治すから...」
私が鞘に手をかけると、力ない手がそれを制す
「アカンよ...」
「っ......どうして!?早くしないと貴方は――――」
「せやからアカン...後は捕まってまうだけ.....もう暗くて狭いトコなんてイヤや...」
「...!! 生きてさえいれば出来るコトだってある...お願いだから...」
ああ、やっぱり
謝っといて良かった