第39章 ～拾捌半～CRY2

「...知っていたさ。君の狙いなど知った上で私は君を連れていた...君が私の命をどう狙うかに興味があったからだ
だが残念だギン。君がこの程度で私を殺せると...」


「思うてません」


胸を抑える藍染はギンの言葉にに口を噤む


「見えます？ここ、欠けてんの。今、藍染隊長ん中に置いてきました」


「....何...？」


「ボクの斬魄刀神槍は、伸び縮みする時、一瞬だけ塵になります。そして刃の内側に細胞を溶かし崩す猛毒があります」


藍染の動きが止まる


「...解ってもろたみたいですね。今、胸を貫いてから刀を戻す時、一欠けだけ塵にせんと藍染隊長の心臓ん中に残してきたんです」


「....ギン....!!」


「喋るんやったら早うした方がええですよ、まあ早うしても死ぬもんは死ぬんやけど」


ギンの神槍が藍染の心臓の前に添えられる


「『“死せ（ころせ）神殺鑓（かみしにのやり）”』」


藍染の上半身は神槍の効果により、巨大な孔が。そしてその中央には崩玉の姿


ギンは藍染の躰から崩玉を抜き取ると、その場から逃げたした


走りながら掌に握られた崩玉を見つめる。血塗れのこれのせいで、百年近くも縛られていた


「終わりや....これで終わり...」


握り直した直後、自分に襲いかかるような霊圧に足を止めた



蛇が睨まれる



丸呑みにしようと獲物を狙う蛇が――――


ギンは躰がスッと冷えていくのを感じながらも、ゆっくりと振り返った


「私の勝ちだ、ギン....お前の奪った崩玉は既に私の中に無くとも...」


私のものだ


妖笑した藍染の姿に冷汗が流れる


「何や...これは...っ」


刺し違えた筈の藍染が、確かに自分の中にあるはずの崩玉が共鳴する


「ありがとう、ギン。君のお陰で、私は終に死神も虚も超越した存在となったのだ」


「ああ、やっぱり...謝っといて良かった」


ギンは笑った
しかし現実は無情、藍染の一閃がギンを襲った



中途半端ではアカン
やるなら徹底的にやらな


相手が悪なんやったら、こっちも本物の悪になる
不気味で何考えてるんか解らん位にならな


でも


....悪い奴にはバチがあたる


あの人が悪なら


ボクも悪や