第2章 ~壱~MEET
喜助さんは普段、瀞霊廷(せいれいてい)という所で仕事をしていて、住む所もそこにあるらしく中々会えないけど、合間を見ては会いに来てくれていた
「サラ」
「あっ喜助さんっ!」
私は喜助さんの姿を見ると満面の笑みで飛びついた
「いい子にしてましたか?」
「うんっ!!喜助さんがくれた本も全部読んだよ」
「あれだけの数を?サラは勉強家ッスね~」
そう言いながら私の頭をポンポンと撫でる
私はこの瞬間が好きだった
喜助さんは会えない分、小さいコトでも褒めてくれる
私は褒められたい一心でいい子にしていた
そしていつか恩返しができるように、勉強するようになった
いつか少しでも役に立てたら...
「あれ?喜助さん、その羽織は?」
この前来た時には来ていなかった白い羽織、背中には漢数字で[十二]と書かれている
「あーコレ?コレは...まぁオマケみたいなもんッス」
「ふーん...」
「あっそうそう、今日は友達を連れてきてたんだった!」
「友達?」
「そう!サラがあまりに可愛いんで忘れてた――――!?」
その瞬間、喜助の頭にかかと落としが落とされ、私は驚きもあまり目を丸くした
「ほほう...無理やり連れてきた割には忘れっぽいのう喜助?」
「夜一さん痛い痛い痛いっ!!!」
グリグリとかかとで踏まれ痛がる喜助さんを後目に、その人は私を見た
「お主がサラか?」
褐色の肌で長い髪を結わえているその人は口端を上げてニカッと笑う
「はい...お姉さんは?」
「儂は四楓院夜一じゃ!宜しくなサラ」
そう言ってニコニコ笑う彼女に私も自然と笑みを浮かべていた
「ほう...喜助にしては趣味がいいのう?」
「デショ?あげませんよ」
「?」
2人の会話は分からなかったけど、2人がすごく仲がいいというのはよく分かった
「...喜助さんと夜一さん?2人って恋人?」
「「はあ?」」