第39章 ~拾捌半~CRY2
「...全ては最悪の顛末どおりに。...貴方にとっては最善の顛末どおりに。でも...
そろそろ流れを変えなくちゃいけませんよねえ。なんせ、一〇〇年もやられっぱなしなんスから。いい加減、アタシもやられ役は飽きちゃいましたヨ」
藍染との間合いをあと少しに控え、足を止める
「さ、仕切り直しと行こうじゃありませんか」
「実に明快な負け惜しみ...いや、それが負け惜しみかどうかすら、どうでも良い事だ」
藍染がほくそ笑んだのをきっかけに激しい攻防か繰り広げられる
「“六杖光牢”」
「縛道の六十三、“鎖条鎖縛”!!縛道の七十九、“九曜縛(くようしばり)”!!」
喜助の鬼道が藍染を捉える
「千手の涯、届かざる闇の御手、映らざる天の射手、
光を落す道、火種を煽る風、集いてまどうな我が指を見よ。
光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔
弓引く彼方・皎皎として消ゆ」
「そんな鬼道を使わせると思うか?こんなもの...」
「遅い。破道の九十二“千手皎天汰炮(せんじゅこうてんたいほう)”」
凄まじい爆煙が喜助の強さを物語る
「あれれ?流石にちょっとヤバいんかなあ」
ギンが腕組みをしながら圧巻の様子で眺めていると、近付く影にゆっくりと振り向いた
顔を背けたくなるほど痛々しいサラの姿がそこにあり、ギンは笑みを濃くした
「さすが元四番隊♪こんな短時間でようやるわ」
(でも治すところか簡単に止血したっただけ、そない急がんでもエエのにな…)
ギンが体ごとサラに向き直ると、サラにグッと力が入る
「ギン、其処をどいて」
「イヤ言うたら?」
「お願い…」
斬魄刀に手をかける訳でもなく、サラのまっすぐ見つめる眼差しにギンは小さくため息をついた
「(ホンマにこの子は…お願いだけでボクが応じるとでも思ってるんちゃうやろか)サラちゃん…」
ギンが口を開こうとするより早く、藍染の声が降り注ぐ
「ギン、どうした」
「....ああ、藍染隊長。エライすんません闘いの邪魔してもうて。これ以上、邪魔ならんように向こうに行ってます」
「…別に構わないが」
ギンは藍染の言葉より早く、サラを掴むと瞬歩で遠ざかっていった