第39章 ~拾捌半~CRY2
「ちょっとサボろか」
「...ギン..?」
藍染から離された私はギンの腕から逃れようとするも、簡単に放された
そしていきなりの内容に困惑する
「ええやん。もう無理やて。藍染サンと長い事居るけど、あんなん見るん初めてやわ」
ギンはワザとらしく肩を竦める
「まァ、知らん間に崩玉取りこんでてんから当たり前か。
わかるやろ、もうどうもならへんよ。あの人らも君も。殺されておー終い、や」
私が眉を潜め黙っていると、ギンは笑みを浮かべて私の顔を覗き込んだ
「悪いこと言わんわ。逃げ、未だ死ぬん厭やろ」
突然の内容に言葉を疑う
「怖いんやろ?藍染隊長が。理解出来てるんやろ?藍染隊長の力が」
「………ええ、怖いわ」
私の言葉にギンは踵を返し歩きだした
「………でも、皆が死ぬのはもっと怖い。だから逃げない」
ギンが足を止める
「折角あの人から離したげたのに..警告は今のでお終いや。まだ逃げへんのやったら...ボクが今ここで斬るわ」
振り返ったギンが抜刀し斬りかかってくる
すぐ様応戦し、触れ合う刀同士が震える
「やめてギン…貴方とは戦いたくない」
「言うたやろ?今ので終いや、て。本気で殺らな仲間が死ぬで...」
「ギンだって...大事な仲間よ...」
「ッ………」
ギンの目がスッと開かれ、離れたかと思うと、刀が収められる
「何でボクを信じるん?エエ人や無いて、もう解ってるやろ?それやのに、なんでまだ信じてるん?...まだ裏切り足りへんの?そやから、また痛い目見るんやで」
饒舌にまくし立てるギンは、声こそいつものようだが、私にはせっついて見える
「何度痛い目を見たって…信じる。少なくともあの時のギンは本物だったから」
月明かりの中、交わした口付け
ギンにいつもの笑みは消えていた
そして今も…
黙ったままのギンに、解ってくれたと思った私は、ギンと同じく鞘に刀を収めた
その瞬間、
「ぇ………」