第39章 ~拾捌半~CRY2
「よくもまぁあそこまであんな可愛い子を痛めつけてくれましたね~…謝ったって許せませんよ?」
喜助は藍染に近づいていく
「随分と遅い登場だな浦原、大丈夫だ。謝るつもりは毛頭ない」
「…で?なんスかその格好は」
いつの間に変化したのか、藍染の異形な姿に喜助は目を細めた
白いマスクに覆われた顔
今までとは比にならないくらいの暗い霊圧
その姿は死神でも虚でもない
崩玉を取り込んだのか…喜助はジッと藍染と視線を合わせた
「それを君が聞くのか?」
「いえ、言わなくていい。アタシには覚えがあります…」
喜助は帽子を被り直す
「魂魄の壁を取り払う。魂魄の壁を取り払えば、虚の力を手に入れることが出来る可能性がある。そうすれば、死神である能力に加え、虚としての能力を付加することも夢ではなくなる
それは・・アタシ自身が研究し、夢に描いてたことだったからです。でもね…」
喜助の瞳がスッと細められる
「人で実験を行うようになっちゃえば・・もうそれは人じゃない」
「何を分かり切った事を…」
「ええ。全ては予想通りに、そう、最悪の予想で動いていきました。...誤算でしたよ
だって、普通一つや二つ予想以外の事が起きるもんでしょ?
それが一切無かったんですから」
喜助の纏う空気が変わる
冷たく静かな霊圧…
藍染は目を細めた